title: 特許庁の基幹システムはなぜ失敗したのか : 特許庁の基幹システム失敗の背景にある、日本におけるITプロジェクトの実態
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http://www.publickey1.jp/blog/12/it_17.html
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1.IT技術の活用をイメージできず盲信している
技術を特許庁の業務にどう活かすかという具体性・現実性に乏しく、技術オリエンテッドで物事が進んでいた。つまり僕の目には、当初の基本アーキテクチャそのものに疑問が大いにあった。この責任は開発会社だけではなく、発注者にもある。つまり技術をどう活かすかという結果イメージがシナリオレベルで不明確で両者(発注側・開発側)どちらも説明できていないのだ。
2.業務モデル(フロー)説計の不慣れさ
業務フローをどう活用するかというイメージがなく、ただただ言われた業務を書きうつすだけ。当時そういう人が千名近くいたという。その時点で破たんしているのだ。
業務フローなどのドキュメントはドキュメント過多に陥りやすい。戦略的にどう活用すべきか省庁の中で充分に整理をしてから手をつけないと、無用な産物を作り出すことになる。当時既に無用な産物化していたのだ。
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4.業務モデルは発注者の理解と覚悟の元作成する
これを開発ベンダー中心で書き続けるかぎり、こういう失敗は続く。つまり「絵に描いた餅」か「現状業務の見える化」にすぎないものを多大な工数を使って作り上げてしまう事になるのだ。
そういう多大なドキュメントを抱え込んだプロジェクトは、設計局面で要求が肥大化し爆発する。また、そうなっている状況において耐え直す勇気がない、それがプロジェクトマネジメントの問題であり、それは請け負った開発会社の問題でもあるだろう。
日本独特の契約形態も絡んでいる
また、この問題には、日本独特のSIerとの契約形態が絡みます。この契約形態こそ日本のIT技術を駄目にしているもので、まだ要求の価値も見いだせない段階で、要求を定義していく過程で絞り込みができず、要求の量が爆発的に増大。そして、その爆発した要求に対して工数を見積もるような慣習です。それがプロジェクトを超大規模化させる原因であり、IT業界が価値を生み出さず、3Kと言われる屈辱的な状況を作り出している。
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そもそもITの使われ方が業務と密接に絡んでいるのに、ユーザはITをSIerに丸投げしてしまう、あるいは業務プロジェクトのIT化の進め方が解っていない。一方のSIerも業務の変革に踏み込もうとしない。あるいは踏む込む知識を持ちえない。
このような状況になっているのは、システム要件定義から始まる開発契約という日本のITにおける慣習が邪魔をしています。日本人は慣習に弱いのです。これが現代のビジネスに合わなくなっているのにもかかわらず、この慣習から逃れられません。
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